ミトコンドリアの機能を高める化合物 神経難病のALSに効果か

ミトコンドリアの機能を高める化合物 神経難病のALSに効果か

東北大学などは細胞内の「ミトコンドリア」の機能を高める化合物が、神経難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)に対して効果がある可能性をショウジョウバエを使った実験で確認した。

東北大学の豊原敬文教授や阿部高明教授、京都大学、国立精神・神経医療研究センターなどによる共同研究成果で、ALSに対する新たな治療薬になることが期待される。


ALSは筋肉を動かす神経細胞が徐々に壊れて、全身の筋力が低下する病気だ。

発症から2~4年で人工呼吸が必要になる。病気の原因となる遺伝子は複数あるとされ、根本的な治療法は確立していない。


阿部教授らの研究チームはミトコンドリアの働きを改善する「MA-5(ミトコニックアシッド5)」と呼ぶ化合物を開発しており、難病の「ミトコンドリア病」に対する臨床試験を実施している。


ALSの発症や進行には、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの機能低下が関わるとされることから、MA-5がALSの治療薬として応用できないかを検証した。ALSの病態を再現したショウジョウバエの実験では衰えていた運動機能の改善がみられた。


ヒトの患者由来のiPS細胞などから作製した運動神経細胞でもエネルギーの産生やミトコンドリアの機能が改善する作用が確認できたという。


今後はさらに多くの患者由来の細胞や哺乳類で有効性などを検証していき、ALS患者を対象にした臨床試験の実施を目指す。


(日経新聞・朝刊 2026.9.23)


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