「隠れ心房細動」を見抜け
AI活用、心電計で長期測定
・心臓のうち心房が何らかの原因で、けいれん状態になる「心房細動」は不整脈の一種だ。血栓ができて脳梗塞の恐れがあるが、通常の心電図検査は短時間のため見つけにくい。コメント;心臓には心房と心室の2つの部屋(心腔)があり、それぞれが右と左に分かれ、計4つの部屋から成り立っている。「心房細動」はそのうちの心房が、「けいれん」して細かくしか動かなく状態となる。心室と違って命には別状ない。しかし、中には小さな血の塊(血栓)が出来て脳などに血栓が飛ぶ(脳塞栓または心原性脳梗塞、)ことがあるため、治療が必要な不整脈だ。
・人工知能(AI)などを活用してリスクの高い人を絞り込み、小型心電計を1週間つけて「隠れ心房細動」を見つける取り組みが広がっている。
・心臓は安静時、1分間に50~100回規則正しい電気信号が発生する。心房細動は心臓の上半分にあたる心房が1分間で500~600回ほど小刻みに震える状態で、脈が不規則になる。
コメント;小刻みに震えているだけで、血液の流れは心房の収縮によるものではなく、心室の拡張によって受動的に左心房から左心室に流れる。
・放置すると心臓の働きが低下したり、心臓内で血液の流れがよどんで血栓ができ、脳梗塞を引き起こしたりする。
コメント;血栓は主として左心耳にできる。
・寝たきりになる約2割は心房細動による脳梗塞が原因との報告もある。動悸やめまいなどが起こる場合もあるが約4割は自覚症状がないとされる。通常の心電図検査は10秒程度しか計測しないため、発作性の心房細動を見つけられない。
・東京科学大学、は22年1月から、静岡市で「隠れ心房細動」を見つける取り組みを始めた。まず通常の健康診断で測定した心電図をAIで解析。
小型心電計を1週間つけてもらった最初の362人のうち3%11人に心房細動が見つかった。特にリスクが高いと評価された人では65人中3人(4.6%)、65歳以上は25人中3人(12%)と高かった。
・同大学は東京都の研究助成で24年8月からも同様の取り組みを始めた。40歳以上の都民で、過去に心房細動と診断された人や心臓手術の経験がある人を除いて希望者は無料で受診できる。
・静岡市での取り組みと同様、心電図をAIで解析するほか、血液検査などの結果も踏まえ、隠れ心房細動のリスクが高いとみられる人に1週間、小型の心電計を装着してもらう。
・現在は同大病院でしか検査ができないが、25年中に青梅市や足立区の病院でも検査できるように体制を整える。同大学では「将来的には心電図を幅広くAIで分析し、血液検査も併せて効率的に隠れ心房細動を見つけたい」と話す。
・大分大学では23年6~11月に、通常の健康診断を受診した75歳以上全員と、65~74歳で高血圧や糖尿病などの持病がある人のうち、同意が得られた計577人に小型の心電計を1週間つけてもらった。
・解析できた571人のうち16人(2.8%)で心房細動か見つかり、16人中15人は75歳以上だった。75歳以上の受診者だけでみると、隠れ心房細動は5.2%と高い。
・心房細動がある人は医師の判断で血液を固まりにくくする抗凝固剤を服
用して脳梗塞(コメント;脳梗塞でがあるが、詳しくは脳塞栓)を予防することもある。
・心房細動の頻度が高い人などの場合は太ももの付け根などから血管内にカテーテル(細い管)を通して心房細動の原因となる心筋に電流などを流して治療することもある。
・75歳以上や高血圧などのリスクのある人は自分で脈を測り、不規則であればかかりつけ医などで心電図を測ってもらうとよい。
自分で脈拍確認も大切
・日本脳卒中協会などは3月9日を語呂合わせで「脈の日」とし、脈のチェック(検脈)を呼びかけている。
・左手首で測るならば左手を少し曲げ、しわを作る。しわの位置に右の薬指の先が来るように薬指、中指、人さし指を当て、左の親指のつけ根付近で脈がよく触れる部分を見つける。15秒ほど測定り、不規則ならばさらに1~2分ほど測る。
・家庭向けに携帯型の心電計や心電図を測定できる血圧計もある。一部の装着型デバイスは心電図を測定できる。アップルウオッチでは、心電図と心拍が測れるアプリが20年に医療機器として認定された。検脈して不整脈の疑いがあれば医療機関を受診したい。
日経新聞・朝刊 2025.3.1 引用一部改変
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