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HDL亜分画

  HDL亜分画 HDLは多様な亜分画から構成され、 それぞれが異なる生理機能を持つ。  HDLコレステロール (HDL-C) 値は心血管疾患 (CVD) リスクと逆相関するが、 HDLの機能性や粒子数、 亜分画の組成がCVDリスクにより強く関連すると考えられている 。 HDLは、 そのサイズやアポリポタンパク質含有量によって多様な亜分画に分類される。  HDLの機能には、 コレステロール逆転送、 抗炎症作用、 抗酸化作用、 血管内皮機能の促進などがある。 コメント; 一般的には、 コレステロール逆転送のみが強調され「 抗炎症作用、 抗酸化作用、 血管内皮機能の促進」についてはあまり触れられていません。 ■ HDL亜分画と機能性 HDLはコレステロールを末梢組織から肝臓へ輸送する 「コレステロール逆転送」 において重要な役割を果たす。 小型の高密度なHDL3は、 LDLの酸化損傷からの保護に特に有効である可能性がある。 HDLの抗酸化作用は、 パラオキソナーゼ1 (PON1) などの酵素によって媒介される。 HDLの機能性は、 その構成成分 (アポリポタンパク質、 酵素、 脂質など) によって影響を受ける。  例えば、 2型糖尿病患者では、 HDL-C値が正常でもHDLの機能異常が認められることがある。 コメント; HDL2については言及されていません。 ■ 臨床的意義 従来のHDL-C値だけでなく、 HDL粒子数や亜分画の測定がCVDリスク予測の改善に繋がる可能性が示唆されている。 HDLの機能性に着目した治療法の開発が期待されているが、 HDL-Cを増加させる薬剤がCVDイベントを減少させるとは限らないことが示されている。 肥満患者における急速な体重減少は、 HDLの構造と機能性を改善する可能性がある。 コメント; 「急速な」体重減 少が重要というところが少し引っ掛かります。
  DES留置後AF患者、 NOAC単剤は併用療法に非劣性 https://hokuto.app/post/YyXEvFg5yky7745GFdpz (要ログイン) ・ 韓国の研究グループは、薬剤溶出ステント (DES) 留置1年以上の心房細動 (AF) 患者を対象に、 純臨床有害事象 (NACE) を評価項目として、 非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬 (NOAC) 単剤療法のクロピドグレル併用療法に対する非劣性を検証した。   ・ その結果、 12ヵ月時NACEの発生率は、 単剤療法群で9.6%、 併用療法群で17.2%、 絶対差-7.6%㌽ (95.2%CI -11.9~-3.3%㌽;非劣性p値<0.001) であり、 非劣性が示された。  試験結果はNEJM誌に発表された。  ・ガイドラインでの推奨にもかかわらず、 薬剤溶出ステント (DES) 留置後の心房細動 (AF) 患者への非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬 (NOAC) 単剤療法に関するエビデンスは不足している。 ・多施設共同非盲検無作為化比較試験であり、 DES留置後1年以上のAF患者を対象に、 NOAC単剤療法群の併用療法 (NOAC+クロピドグレル) 群に対する非劣性を検証。 ・主要評価項目は、 全死亡、 心筋梗塞、 ステント血栓症、 脳卒中、 全身性塞栓症、 大出血または臨床的意義のある非大出血の複合からなる純臨床有害事象 (NACE) とし12ヵ月追跡。 ・DES留置後1年以上のAF患者に対するNOAC単剤療法は、 NACEにおいて、 併用療法に対し非劣性であった。
  新たなリスクスコアにより頸動脈狭窄に対する不要な手術を回避 https://medical-tribune.co.jp/news/articles/?blogid=7&entryid=567431 (要ログイン) 頸動脈リスク(carotid artery risk;CAR)スコアと呼ばれる新たなスコアリングシステムにより、頸動脈狭窄が確認された患者に対する頸動脈血行再建術の必要性を判断できる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。英国やオランダなどの研究者らが開発したCARスコアリングシステムは、頸動脈狭窄の程度(狭窄率)や医療歴などを考慮して5年間の脳卒中リスクを予測する。 この研究結果は、「 The Lancet Neurology 」5月号に掲載された。   頸動脈狭窄患者に対しては、通常、脳卒中リスクを軽減するために頸動脈血行再建術が行われる。 しかし研究グループによると、この治療法は、30年以上前に実施されたランダム化比較試験の結果に基づいているという。   論文の責任著者は今回、症候性または無症候性の頸動脈狭窄患者を対象に、至適内科治療(optimised medical therapy;OMT)による管理の有効性と安全性を、OMTに加え血行再建術も受けた患者との間で比較した。 OMTは、低コレステロール食、脂質低下薬、降圧薬、血液凝固阻止薬などで構成されていた。   対象者は、CARスコアに基づき脳卒中リスクが低~中等度(20%未満)と判定され、頸動脈に50%以上の狭窄が確認された18歳以上の者とし、OMTのみを受ける群(OMT群、215人)とOMTに加えて頸動脈血行再建術も受ける群(OMT+血行再建術群、214人)に1対1の割合でランダムに割り付けられた。 主要評価項目は、 1)手術や治療後の死亡、致死的な脳卒中または心筋梗塞の発生、 2)非致死的な脳卒中の発生、 3)非致死的な心筋梗塞の発生、 4)画像検査で新たに発見された無症候性脳梗塞とし、2年後に評価された。 OMT群のうち1人は研究への参加同意後に離脱したため、428人(平均年齢72歳、男性69%)を対象に解析が行われた。   その結果、主要評価項目のいずれについてもOMT群とOMT+血行再建術群の間で有意な差は認められず、血行...
米国糖尿病学会「糖尿病の標準治療2026」発表 https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202512/591372.html 米国糖尿病学会(ADA)は2025年12月8日、「糖尿病の標準治療2026」(Standards of Care in Diabetes―2026)を発表した。 本文書は、米国における「糖尿病診療ガイドライン」と位置付けられる。 2026年版も新たなエビデンスに基づいて多くの推奨が書き換えられており、心血管疾患や腎疾患のリスクが高い成人の高血圧合併糖尿病患者の降圧目標は、収縮期血圧(SBP)で120mmHg未満に厳格化された。 高血圧合併糖尿病患者に対する降圧治療に関しては、「安全な到達」を前提としながらも、心血管疾患や腎疾患のリスクが高い糖尿病患者に対しては降圧目標を一段下げて、SBP 120mmHg未満を推奨した。 コメント; 降圧目標も血圧値が独り歩きしています。多くのGLがそうですが、どのような条件での血圧値なのかの説明がが欠落しています。 その根拠になったのが、前年の2025年版の文献レビュー期間以降に発表されたBPROAD試験とESPRIT試験だ。 BPROADは、心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者を対象に、降圧目標をSBP120mmHg未満とする厳格管理と、同140mmHg未満とする標準管理を比較。 主要評価項目である複合心血管イベントは、厳格管理群で21%有意に低下した。 ESPRITも同様なデザインの臨床試験で、39%が2型糖尿病患者という患者集団を対象とし、厳格管理群で12%の有意なリスク低下を認めた。 現行の日米欧の高血圧関連ガイドラインでは、高血圧合併糖尿病の降圧目標は130/80mmHg未満となっている。 いずれも上述の2試験の結果が明らかになる前に編集されたものであり、同試験のエビデンスは反映されていない。 今後、各国の診療ガイドラインが追従するかも注目される。 コメント; 収縮期血圧(SBP)のみであるところが米国的に感じました。以前読んだ論文で、収縮期血圧のみで統計処理をした方が、よりよい(?)相関が得られると書かれていました。たしかに拡張期血圧は測定値自体に不確実性があり、加齢とともに変化(拡張期血圧値の低下)する事実があり、理にかな...

メタボ健診「腹囲2センチ・2キロ減」

達成でも血圧悪化2割 健保組合が初分析 大手企業の健康保険組合でつくる「保険者機能を推進する会」は40〜74歳が受ける特定健診(メタボ健診)に関する初の分析結果をまとめた。国が指導の対象者に促す「腹囲2センチメートル・体重2キログラムを減らす」との目標は血圧リスクには効果が限られ、改善が必要だと指摘した。 32の健保が協力し延べ約70万人の記録を集めた。2023年度の結果を軸に同じ人の21〜 24年度の4年分を調べた。   特定健診は腹囲や体格指数(BMI)、血糖、脂質、血圧のデータなどに基づき、生活習慣病のリスクがあると判断した人を特定保健指導の対象とする。高リスク者には3ヵ月以上にわたって食事や運動習慣の改善を促し、2センチ2キロ減の達成を目指す。   分析では血圧が特定保健指導を受ける基準の人のうち、2センチ2キロ減を達成して も翌年度に悪化した人が計22.2%いた。受診を勧める基準に該当したのは19.8%、服薬に至った人が2.3%だった。未達成者を含む全体では翌年度の悪化は計28.6%だった。   高血圧は心筋梗塞などの病気のリスクを高める。翌年度に特定保健指導の基準未満へと改善したのは2センチ2キロ減の達成者の49%、全体では40%を占めた。   血圧と比べると脂質や肝機能は指導の効果が高い。脂質は特定保健指導の基準の人が翌年度に悪化した割合は全体で計10.7%、2センチ2キロ減の達成者では計7.3%だった。肝機能は全体で計16.5%、達成者では計8.9%だった。   保険者機能を推進する会は分析結果を踏まえ指導内容は一律ではなく疾病リスクに応じたカスタマイズを検討すべきだと提起する。例えば血圧のリスクが高い人にはまず減塩などの食事習慣の改善目標を設けるといった工夫が考えられる。   同会によると積極的支援と呼ぶ高リスク者向けの特定保健指導には1人あたり4万〜5万円ほどかかる。2センチ2キロ減に向けた食事の管理や運動習慣の定着といった指導を民間の事業者に委託するケースが多い。   財源は主に社会保険料だ。保険料の引き上げが現役世代の重荷になるなかで、健保による施策の費用対効果の検証は欠かせない。高市政権が掲げる「攻めの予防医療」の実現にもつながる。   23年度に特定保健指導を受けた7万3千人余りの内訳をみると、21、22両年度に指導の対象外だったのは25...

患者数が過去最多の百日せき、「薬剤耐性菌」7割

患者数が過去最多の百日せき、大阪で「薬剤耐性菌」7割…海外から流入し全国的拡大の可能性 感染拡大が続き、年間の累計患者数が過去最多となった百日せきについて、大阪府内では治療薬が効かない「薬剤耐性菌」が7割を占めていることが、地方独立行政法人・大阪健康安全基盤研究所の調査でわかった。 耐性菌はほかの地域でも検出されており、全国的に広がっているとみられる。 百日せきは細菌が原因で、患者のせきやくしゃみを浴びるなどして感染する。 回復までに時間がかかり、乳児で重症化しやすい。 新型コロナウイルスの感染が広がった2020~23年は感染対策の徹底などで患者数は少なかったが、24年に増加が目立つようになった。   同研究所は昨年9月~今年7月に大阪府内の医療機関で患者から採取した病原体32検体の遺伝子を解析。 百日せきの治療に使われる「マクロライド系抗菌薬」が効くかどうかを確かめたところ、この薬が効かない薬剤耐性菌は23検体あり、72%を占めた。   その一部を海外で確認された薬剤耐性菌と比較すると、遺伝子のタイプが似ていた。 この結果からは、海外から流入した耐性菌が国内で拡大している可能性が考えられる。 参考 耐性菌の遺伝子型は、中国で昨年流行した型に近かった。訪日客などから 国内に広がった可能性がある。 (日経新聞・朝刊 2025.11.25)   耐性菌については東京、富山、鳥取、沖縄などでも検出例の報告がある。 ほかのタイプの抗菌薬(ST剤など)の投与を検討するが、新生児には使えないなどの課題がある。 https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20250814-OYT1T50087/?catname=news-kaisetsu_news (2025.8.14)

日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった

日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった (「みみずく医者の備忘録」 2024-07-25 より) 元記事 日本のクスリ、実はほぼ「中国製」だった…! 患者が知らない「ヤバすぎる実態」 https://gendai.media/articles/-/133265?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related#goog_rewarded (2024.7.12) 「日本製」でも実は・・・ ・日本のクスリも製造工程の上流へとたどっていけば、「中国製」と言える。慶應義塾大学名誉教授で、医療経済研究機構の副所長を務める印南一路氏が解説する。 「そもそもクスリを製造するには、原料となる化学物質が必要です。実はその大部分を製造しているのが、中国のメーカーなのです」 ・「日本の製薬会社の医薬品だから安心」と考えている読者も多いかもしれないが、実は製薬会社は原料から直接クスリを作っているわけではない。クスリは「原料→中間体→原薬→医薬品」という4つのステップを経て、私たちの手元に届く。ほとんどのケースにおいて製薬会社が担っているのは、「原薬」から医薬品を作る最後の過程だけだ。 1から作っていない ・原薬とは、クスリのパッケージに記載されている有効成分のこと。たとえばよく使われる解熱鎮痛剤のロキソニンであれば、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が原薬にあたる。製薬会社はそこに添加剤などを加えて、カプセルや錠剤に加工して販売しているのだ。なお原薬を作る際には、原料となる化学物質をさまざまに反応させる必要があるが、1回反応させただけで効果の高い原薬ができるとは限らない。場合によっては原薬になるまで、10回以上も化学反応を繰り返す必要がある。その途中でできた化合物のことを「中間体」と呼ぶ。 ・「日本の製薬会社で、原薬を1から自社で製造しているところは一社もありません。中国やインド、イタリア、韓国などのメーカーから購入したものを使って医薬品を製造しています」(印南氏、以下「 」内は同) ・仮に原薬の輸入元であるどこか一国との関係が悪化し輸入が断たれたとしても、別の国から調達することができるだろう。また厚生労働省も国内に原薬工場を作ったり備蓄を進めたりして、安定供...