ミネラルコルチコイド受容体 (MR) 関連高血圧
ミネラルコルチコイド受容体 (MR) 関連高血圧
アルドステロンの過剰な作用やMRの活性化が関与する病態であり、 治療抵抗性高血圧や臓器障害のリスクを高める。
特に、 原発性アルドステロン症や肥満関連高血圧においてMRの関与が指摘されている。
MR関連高血圧は、 レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 (RAAS) の活性化や、 アルドステロン非依存性のMR活性化によって引き起こされる。
■ 病態生理
MRは、 アルドステロンだけでなく、 コルチゾールや酸化ストレス、 炎症などによっても活性化される。
特に高齢者では、 アルドステロン産生の調節異常やMR発現の増加、 コルチゾール不活化酵素の機能低下などにより、 MR関連高血圧のリスクが高まる。
■ 関連する病態
原発性アルドステロン症 (PA) :
二次性高血圧の最も一般的な原因であり、 治療抵抗性高血圧患者の5~25%に認められる。
PA患者は、 本態性高血圧患者と比較して、 脳卒中、 冠動脈疾患、 心房細動、 心不全、 糖尿病、 メタボリックシンドローム、 左室肥大のリスクが高い。
腎障害のリスクも高く、 微量アルブミン尿や蛋白尿の頻度が増加する。
肥満関連高血圧 :
過剰な体脂肪、 特に内臓脂肪は、 腎臓の圧迫、 RAAS活性化、 交感神経活動亢進などを介して高血圧を引き起こす。
肥満はアルドステロン非依存性のMR活性化も引き起こす可能性がある。
治療抵抗性高血圧 :
3種類以上の降圧薬 (利尿薬を含む) を最大耐用量で服用しても血圧が目標値に達しない状態を指す。
真の治療抵抗性高血圧の有病率は約10%と推定され、 心血管イベントのリスクが高い。
■ 治療
MR関連高血圧の治療には、 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 (MRA) が有効である。
MRA :
スピロノラクトンやエプレレノンなどのステロイド性MRA、 フィネレノンなどの非ステロイド性MRAがある。
スピロノラクトン :
治療抵抗性高血圧において、 プラセボと比較して収縮期血圧を平13.3mmHg低下させる効果が示されている。
エプレレノン :
高血圧症、 慢性心不全に適応がある。
高カリウム血症、 重度腎機能障害 (クレアチニンクリアランス30mL/分未満)、 重度肝機能障害 (Child-Pugh分類クラスC) の患者には禁忌である。
フィネレノン :
2型糖尿病を有する慢性腎臓病に適応がある。
スピロノラクトンと比較して高カリウム血症のリスクが低いとされる。
アルドステロン合成酵素阻害薬 (ASI) :
バクスドロスタットやロルンドロスタットなど、 アルドステロン産生を直接抑制する新規薬剤が開発中であり、 治療抵抗性高血圧患者の血圧低下に有効性が示されてい。
生活習慣の改善 :
減塩、 運動、 飲酒制限、 体重管理などが重要である。
MRAの使用においては、 高カリウム血症のリスクに注意が必要であり、 血清カリウム値のモニタリングが推奨される。
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