果糖ブドウ糖液糖 (HFCS)
果糖ブドウ糖液糖 (HFCS)
HFCSは、「High-Fructose Corn Syrup」の略で、日本語では「高果糖コーンシロップ(異性化糖)」とも呼ばれる。
ブドウ糖と果糖を主成分とする工業的に生産される甘味料で、 清涼飲料水や加工食品に広く使用されている。
その組成は砂糖 (スクロース) と類似しているが、 ブドウ糖と果糖が結合していない状態で存在するという違いがある。
「果糖ぶどう糖液糖」と「ぶどう糖果糖液糖」は、どちらもトウモロコシなどのでんぷんから作られる液状の糖(異性化糖)だが、両者の違いは成分の比率だけで、果糖が50%以上のものが「果糖ぶどう糖液糖」、果糖が50%未満(ぶどう糖が多い)のものが「ぶどう糖果糖液糖」と規定されている。
主な違いと特徴
果糖ぶどう糖液糖(果糖が50~90%未満)
特徴: 果糖の割合が多いため、冷やすと甘みが強くなる。スッキリとしたキレのある甘味が特徴で、清涼飲料水などに最もよく使われる。
ぶどう糖果糖液糖(果糖が50%未満)
特徴: ぶどう糖の割合が多いため、果糖ぶどう糖液糖と比べると少しマイルドな甘さになる。
これらはどちらも液体で溶けやすく、砂糖よりも安価に製造できるため、清涼飲料水、アイスクリーム、ドレッシングやタレなどの加工食品に広く使用されている。
肥満、 2型糖尿病、 非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD、 現在は代謝機能関連脂肪性肝疾患 : MASLD)、 心血管疾患、 高尿酸血症、 痛風、 炎症、 一部のがん、 認知機能低下、 小児喘息など、 様々な健康問題との関連が指摘されている甘味料。
健康への影響
HFCSの過剰摂取は、 以下のような健康リスクと関連が示唆されている。
肝臓への影響 :
HFCSは肝臓でのトリグリセリド蓄積と肝脂肪化を促進し、 NAFLD (MASLD) の発症に寄与する可能性がある。 これは、 肝臓での新規脂肪生成の増加やインスリンシグナル伝達の障害を介して起こるとされる。
代謝への影響 :
インスリン抵抗性、 耐糖能異常、 脂質異常症 (特にトリグリセリドの上昇) を引き起こす可能性がある。 高尿酸血症や痛風のリスクも高める。
肥満と2型糖尿病 :
HFCSの消費増加は、 肥満および2型糖尿病の有病率上昇と並行して起こっている。
炎症とがん :
慢性的な低悪性度炎症を促進し、 一部のがん (大腸がん、 乳がん、 膵臓がんなど) の発生や進行に関与する可能性が指摘されている。
認知機能 :
長期的な過剰摂取は、 認知機能の低下や記憶力の悪化と関連する可能性がある。
その他 :
小児喘息との関連も報告されている。
摂取に関する推奨
世界保健機関 (WHO) は、 遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しており、 可能であれば5%未満にすることが望ましいとしている。
HFCSを含む全ての加糖甘味料の摂取を制限することが推奨される。
特に、 清涼飲料水からの摂取は、 カロリー過剰摂取の主要な要因とされている。
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