感染性肝囊胞
感染性肝囊胞 23 例の検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/60/4/60_117/_pdf
・感染性肝囊胞は比較的稀な疾患とされているが、画像診断の進歩により診断する機会が増加している。
・起因菌は Klebsiella pneumoniae が最多であった。
・治療は全例に抗菌薬投与と囊胞内容液の穿刺吸引または持続ドレナージを施行して11 例は塩酸ミノサイクリンによる硬化療法を追加した。1例はドレナージにて改善が得らず外科手術に至ったが、最終的に全例が軽快退院した。
・単純性肝囊胞は胆管との交通はなく、囊胞の表面は胆道上皮細胞の様な単層立方上皮あるいは円柱上皮で常隔壁は認められないとされている。また,多発性の肝囊胞は常染色体優性の多発性囊胞腎に合併することが多く、その際も1層の円柱、立方あるいは扁平上
皮で被われる。肝囊胞自体は通常無症状であるが、周辺臓器の圧迫症状や感染した場合には、手術または経皮的なドレナージが施行されることが多い。
・感染性肝囊胞は、肝囊胞に感染を生じて発熱や腹痛等の臨床症状が出現した状態であり、感染経路として
①胆道系
②血行性
③近隣の感染巣からの直接波及
④外傷性
⑤不明
が挙げられ、比較的稀な疾患とされている。
診断には発熱や腹痛等の臨床症状の他に、血液生化学検査や細菌培養検査に加えて超音波検査や CT検査による画像診断が用いられる。
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